井上バレエ団2月特別公演
「関 直人を偲んで」
2021.2.28
メルパルクホール
2o2
The inoueballet Foundation
In Memory of SEKI NAOTO
クラシカル・シンフォニー
【曲】プロコフィエフ
【振付】関 直人
20分の休憩を挟んで、ラストは『クラシカル・シンフォニー』。音楽はプロコフィエフの『古典交響曲』である。宮嵜万央里、源 小織、齊藤絵里香、浅田良和(ゲスト)、吉瀬智弘(ゲスト)、荒井成也の3組のペアが、コール・ド・バレエを従えて踊る華やかな作品だ。
1977年に初演されて以来、バレエ団の財産として大切に踊り継がれてきた。人ひとり分開いたカーテンの隙間から、女性ソリストが凛とした姿で登場する第1楽章、3組のペアがアダジオを踊る第2楽章、『ロミオとジュリエット』の音楽としても使われている第3楽章は男性陣が技を競い、やがて華やかな第4楽章へとなだれ込む。クラシック・バレエのテクニックを次々と披露しながら、ラストに向けて盛り上がりを加速させる、シンフォニック・バレエとしての面白みに溢れた作品だった。
浅田良和&宮嵜万央里
荒井成也&齊藤絵里香 吉瀬智弘&源小織 浅田良和&宮嵜万央里
荒井成也/齊藤絵里香/吉瀬智弘/浅田良和/源小織/宮嵜万央里
フィナーレでは関の写真パネルが天井から舞台に登場した。穏やかな笑顔の横顔の写真は、カーテンコールに応えるダンサーたちを、あたたかく見守っているかのようだった。戦後のバレエ界の大スターであり、振付家としては「職人技」の持ち主だったという関の功績は、遺された多くの作品の上演を通じて、これから先も受け継がれていくに違いない。
2021年2月28日 メルパルク・ホール所見
すみだ・ゆう=詩人/舞踊批評家
STAFF
振付 関 直人(ゆきひめ、クラシカル・シンフォニー)
杉 昌郎(ゆきひめ)
石井 竜一(Chacona Dedicada)
日舞指導 吾妻 徳穂
バレエマスター 石井 竜一
バレエミストレス 鶴見 未穂子(ゆきひめ)
鈴木 麻子(クラシカル・シンフォニー)
萩原 美佳(クラシカル・シンフォニー)
音楽監督・指揮 冨田 実里
演奏 ロイヤルチェンバーオーケストラ
美術監修 大沢 佐智子
照明 立川 直也(満平舎)
舞台監督 相馬 勝己
音響 貫井 政仁
公演監督 岡本 佳津子