Yuki Morita Ballet Presentation`11
「ライモンダ」

2011.7.18 アクトシティ浜松・大ホール

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Yuki Morita Ballet Presentation`11
「RAYMONDA」


第1部 「サーカス・ヴァリエーション」


第2部 「ライモンダ」

遅沢佑介/アンドリュー2世:坂本憲志/ドリス伯爵夫人:本田愛理
分かりやすくまとめた『ライモンダ』 

うらわまこと

 浜松にバレエ研究所をもつ森田友紀のバレエ・プレゼンテーション2011『ライモンダ』。
2009年の創立35周年記念公演『ドン・キホーテ』に続く古典全幕公演。今回は研究生の自主参加ということもあって、『サーカス・ヴァリエーション』との併演になっています。
ライモンダ:森田友理
 まず『サーカス・ヴァリエーション』、ここのオリジナル作品で、セミクラシックの小品などから選んだ音楽で、幼児からジュニアクラスまでの大勢の児童たちが、玉乗り、綱渡り、クラウンなどサーカスの出演者に扮して元気に踊ります。シンプルながらサーカスのイメージを伝える美術、身体の大きさや技術レベルに応じたグループ分け、振付、そしてレベランスもそれに合わせて工夫され、楽しい舞台になっていました。
ジャン・ド・ブリエンヌ:遅沢佑介&ライモンダ:森田友理
 『ライモンダ』は1898年初演、『白鳥の湖』などチャイコフスキーの3大バレエからしばらくしての、マリウス・プティパ最後の大作といってもよい作品。バレエ初登場のアレクサンドル・グラズノーフの音楽も注目されました。
 貴族の世界の独特の気品と趣をもった作品ですが、物語は単純。踊りの部分も古典の技術、とくに上半身の動きに(この物語の背景にある)ハンガリーの民族舞踊の雰囲気を取り入れている特徴はありますが、よく抜粋して取り上げられる第3幕のグラン・パ・クラシック以外は全体に地味で、大衆受けするというより、音楽も含めて玄人向けの作品といえます。

 総監督森田友紀、演出/振付坂本憲志、振付/指導(主演)森田友理のこの版は、物語でも例えば白い貴婦人など、説明しにくい部分をカットし、物語に直接関係ない踊りを一部省略、逆に踊りに意味を持たせるなど、分かりやすくまとめています。

本田愛理/森田友理/アブデラフマン:金 甫燕
ライモンダの友人:阿部俊輔、菅谷杏奈       本田みどり、阿部賢治
金 甫燕