1of 2 Yuki Mori 「Macbeth」
息を飲む隙がないほどダンスが継続し、夫婦のたがいの感情が手に取るように分かります。二人を先導するのは欲望なのか、愛情なのか、パワーバランスはどちらかが高ぶっている時の片方は冷静で沈着、波の満ち干きのようにマクベスからレディマクベスに、そしてまたマクベスへと美しいムーブメントになりました。
ダンスが言葉以上に雄弁です。 テクニックは感情を伝えるがためのツールで、演じる人がいて観客がいて相互作用で化学変化が起きた時を感動と呼びます。大きな跳躍や回転技などは誰もが感じるダンスの魅力ですが、それだけで観客を魅了するものではないのです。
転換があまりにもスムーズで、動きに見とれているとしばらく後で場面が変わったことに気づきます。
王位を表すものは誰も座っていない椅子のみ、ダンカン(スコットランド王)も、友人のバンクォーも登場しない 「マクベス」は想像の翼を広げ、感じるしかなく、観客も緊張を持続しなければなりません。