DANCE for Life 2019
篠原聖一バレエ・リサイタル
2019.6.7 練馬文化センター 小ホール

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DANCE for Life 2019

オーケストラの為のポエム(2014年初演)
音楽/ジョージ・ガーシュイン
平尾麻実
荒井英之、川村海生命、風間無限

大長亜希子&金子 優

桜井多佳子の感じた!バレエ

ダンスール・ノーブルとして第一線で活躍していた篠原聖一が、「古典作品の主役」を引退したのは2001年。その年に「DANCE for Life」の第一回公演を行った。それは、篠原が演出・振付家として本格的に活動する表明のようにも感じられた。2006年の『ロミオとジュリエット』で文化庁芸術祭賞大賞、2018年の『アナンケ 宿命〜ノートルダム・ド・パリより〜』の成果は、そのまま芸術選奨文部科学大臣賞に結びついた。物語性の高い大作で、その手腕を発揮。それが「賞」という形でも認められたのだ。
そうして迎えた今回は、小ホールでのトリプル・ビル。ときに観客とダイレクトに接する、「親しみやすさ」を意識したバレエ公演だった。

川村海生命&平尾麻実
『オーケストラの為のポエム』は2014年初演。音楽はガーシュイン。下村由理恵バレエアンサンブルを中心とした赤いドレスの女性たちの幕開けから、「サマータイム」のソロ。黒の衣裳の男性三人(荒井英之、川村海生命、風間無限)のキレの良いダンス。地味系の女性たち(?)の前に派手な男性(プレスリー風?)が現れ、「パリのアメリカ人」ではカウボーイ・ハットの男性が女性に道を尋ね・・・。それぞれにドラマを想像させるシーンが、耳に馴染む楽曲とともに次々と展開していく。脈絡はなさそうで、ありそうな。楽しい散文詩だ。風船を手にしたピエロは篠原自身。「みんな楽しんで!」という芸術監督の気持ちが舞台上にも客席にも伝わった。

篠原聖一 &小野麗花
金子 優、大長亜希子、平尾麻実、小野麗花、渡辺 幸、橋元結花