NEOエンターテインメント バレエ
演出/振付 西島千博 「くるみ割り人形」 2007.1.4 博品館劇場 |
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フリッツ:肝付瑠生、ママ:桑野東萌、パパ:山本庸督、クララ:小泉奈々
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西島千博を中心に力のある出演者、達者な演技
バレエダンサーとして古典や現代など多くの作品に主要な役を踊ってきた西島千博。このところバレエだけでなく、楽しいダンスから映画やTVにも仕事の幅を広げ、自己の可能性を追求している。今回はまた新しいグループ(NEOエンターテイメントバレエ)を結成、その第1回公演としてみずから演出・振付した『くるみ割り人形』を上演した。 |
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ミュージシャン:山田洋平&シンガー:高橋綾乃
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この日はクララが西田、西島はその未来のパートナーに扮し、最後のグラン・パ・ド・ドゥを踊る(といっても振付は古典とは違う独特のもの)。 時代は未来、子役のクララ(小泉奈々)は父(山本康督)、母(桑野東萌)、フリッツ(肝付瑠生)らとパーティを開いている。父は未来にいる夢創人ドロッセルマイヤー(三木雄馬)と連絡をとって、彼女の夢をかなえさせようとする。そこにシンガーやミュージシャン、女優なども仕掛け人として登場、場を盛り上げる。未来への鍵はドロッセルマイヤーからのくるみ割りとねずみの人形。未来への眠りに入るクララの夢の中で、ねずみ(ロボット)が現れ、くるみ割りロボやフリッツがロボットとなって闘ったりする。クララはねずみロボのエンジンを壊し倒す。 |
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未来のドール:前根奏子
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クララ:小泉奈々
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ドロッセルマイヤーがクララを未来に案内する。ここで西島が幻影として姿をみせる。西田のクララは天上やタイムマシンでその状況を眺め、時々地上の世界に降りてきて、最後にパートナーと出会うという役。子どものクララは雪の国をとおり、白銀の妖精に出会う。ここでは全員が登場、雪のワルツのコーラスのメロディに言葉をつけた、主題歌ともいえる「白銀の雪」(作詞:西島)が歌われる。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
白銀の妖精:小松由佳&未来のクララ:西田佑子
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2幕はドロッセルマイヤー、黒の女王(小野真理子)をはじめ黒衣の 夢創人たちが、いろいろな踊りを披露する。そして西島が現れ、西田と愛のアダージョ、バリエーション、コーダを踊り、全員で賑やかにフィナーレとなる。 未来の物語で、ロボットなども登場、未来人形(前根奏子)も現れ、衣裳も派手な未来指向。踊りをきちんと見せるというより、大袈裟な動きで物語を進め、その演技を楽しませるという意味が強いようだ。これは2幕の各国のダンスでも、バレエテクニックも時に見せるが、ほとんどがダンスブーツなどで、賑やかに跳んだり回ったり。西田がトウシューズを付けた西島とのグラン・パでも、ドラマティックな絡み、そして強い気持ちを表現するソロが続き、そのなかでも2人が交流したりする。 |
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わずかだが歌やせりふもあり、むしろダンスミュージカルに近い。確かに子役も含めてみな達者、クラシカルな西田も表情豊かで別の側面をみせた。 舞台だけでなく客席を利用するし、休憩時にもロビーに出演者が現れ演技する。さらにカーテンコールでは、西島を中心に楽しく客席を盛り上げるなど、エンタテインメントの要素は強く、その点ではいろいろと工夫されている。西島のファンはこの日の舞台の出番の少なさを補って十分満足しただろう。 |
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桑野東萌&山本庸督
小泉奈々&肝付瑠生 |
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黒の女王:小野真理子
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ただ、これだけ達者なダンサーが出演しているのだから、もっと踊りそのものをじっくり見せ、あるいはテクニックで魅せる場面があっても良いし、ドラマとしては1人1人の、例えば黒の女王の役割をもう少し考えて対立関係などを明確にしたほうが、そちらの興味も増すと思う。さらに達者な子役をうまく使えば感動的な場面も作れたのではないか。 ダンスをベースにした楽しい舞台を、という考えは大変結構。第二弾、第三弾、あるいは再演に際しては、台本、演出をもう少し計算し、工夫して作り上げると、もっと楽しく、感動的な作品になるのではないだろうか。 1月4〜11日博品館劇場、10日昼の部所見 うらわまこと・舞踊批評家 |
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未来のクララ:西田佑子& 未来のパートナー:西島千博
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ドロッセルマイヤー:三木雄馬&西田佑子
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