森田友紀バレエ研究所「コッペリア」
17.9.10 アクトシティ浜松

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Yuki Morita Ballet Presentation'17
Coppelia Act1

森田友紀バレエ研究所公演
バレエ・プレゼンテーション'17
「コッペリア」全幕

前甸 明俊

 浜松市を本拠に活動している〈森田友紀バレエ研究所〉が「森田友紀バレエ・プレゼンテーション'17」を開催した。二年に一度開催している研究生自由参加の発表会。九月十日アクトシティ浜松大ホール。
スワニルダ:森田友理
コッペリウス博士:堤 淳&コッペリア人形:河嶋優里
フランツ:金 甫燕
森田友理&金 甫燕
市長:二上史生 役人:根岸辰男
演出・振付は代表の森田友紀と息女の友理となっているが、全てと言っていいほど友理が行った。アメリカ、オーストラリアでの主演などの活動を経て、現在は森田バレエの中枢を担っている友理は、すらりとした体型を生かして、舞台映えする美しい踊りを見せるバレリーナでもあることは、承知の通り。
 『プレゼンテーション』公演では「ライモンダ」「シンデレラ」「ジゼル」などで主演を演じ、非凡な才能を開花させてきた。今回はスワニルダを演じた。フランツはこれまでにも主役でゲスト出演している金甫燕。

 前奏曲が奏でられる中、コッペリウス博士(堤淳)がコッペリア人形(河嶋優里)を調整している情景と、スワニルダ、フランツの仲の良さを示唆する光景を見せ、幕が開く。

スワニルダの友人
 物語全体はニュイッテルの台本に沿っている。親しみやすく気品のある美しい旋律は、聴いているだけで浮き立つようだ。舞台は上手にコッペリア老人の家、下手にスワニルダの住む家があり、中央は広場で、馴染みの設定となっている。スワニルダがコッペリアに嫉妬の感情を募らせる仕草を、友理が巧みに表現していく。コッペリアにうつつを抜かすフランツ。仲を取り持とうとする市長(二上史生)の一計は、麦の穂が人の秘密をしゃべるという伝説に事寄せた仲直り策。スワニルダは麦の穂を耳元で振るが、何も聴こえないことに切なさを感じる。徐々にスワニルダの全体を占めていく様子を、友理が豊かな表現力で見せ、悲しみに沈んでいく姿をよく伝えて秀逸。物語に深みを加えた。
本田みどり&長谷川元志
チャルダッシュ